24時間風呂は不衛生?水を綺麗に保つ仕組みや上手な使い方について解説します

24時間風呂はお湯を浄化したり循環、保温することで24時間質の高いお風呂に入れることができる機能となっています。

しかし使用している水を繰り返し使ってしまったり、人が入ることで汗などが混じってしまうことによって、細菌が繁殖してしまい不衛生なお風呂になってしまう可能性があります。とはいえ、24時間風呂がどのようなものなのか知らないという人も多いのではないでしょうか。

今回はそんな24時間風呂の衛生面や菌の繁殖を防ぐためにどのようにすればいいのかについて紹介していきます。

24時間風呂とは

24時間風呂には、一般の家庭のお風呂にはないような特別な機能や特徴などが数多く揃っています。24時間風呂は衛生面だけでなく環境面にも配慮していることから、活用することで様々なメリットがあるといえるでしょう。ここからは、そんな24時間風呂の特徴や環境面への配慮した機能などについて解説していきます。

24時間風呂の特徴とは?

お湯の浄化・循環・保温により、24時間いつでも衛生的なお風呂に入ることができます。毎分15〜50リットルのお湯を循環させ、フィルターで髪の毛などの大きな異物を除去します。加温部は電気ヒーターで24時間お湯の温度をキープ。

さらに、セラミックフィルター、繊維状フィルター、天然石を使用した浄化部で、水の中の汚れを抽出します。さらに、お湯に含まれる有機物を分解するために、浄水器の微生物浄化のような生物膜を持つ仕組みを採用することもあります。

また、24時間風呂の中には、オゾン、紫外線、イオン、高温加熱、塩素などの殺菌装置を導入しているものも存在しています。

24時間風呂は水の節約にも一役買っている

毎日水を補給する必要がない24時間風呂は、繰り返し水を入れる場合に比べて、年間で最大100トンの水道水を節約することができます。また、水を入れすぎたり、沸かしすぎたりすることによるムダも抑えることができます。

自宅で24時間風呂を使用している人は注意

節水や掃除の手間が省けることから、「24時間風呂」とも呼ばれる循環式風呂が一般家庭でも普及しつつあります。しかし、浴槽のお湯にレジオネラ菌などの微生物が繁殖する可能性があり、メーカー各社は清掃に関する規制の重要性を訴えています。そこで、2011年に保健所が24時間風呂を利用している50世帯のレジオネラ菌が含まれる水質を分析したところ、7割の家庭で陽性であることが判明しました。

24時間風呂にはレジオネラのリスクが潜んでいる

レジオネラ菌を含む微小な液滴を吸い込んだり、飲んだりすると、レジオネラ症に感染することがあります。この病気には、急性肺炎のように見える「レジオネラ・ニューモフィラ」や、インフルエンザに似た「ポンティアック熱」の症状も含まれています。これらは24時間風呂をメンテナンス無しで利用していると、感染リスクが大きく高まってしまいます。

レジオネラ菌が増えてしまう原因

レジオネラ菌が増えてしまう原因として以下の3つが考えられます。

  • ぬるま湯で菌が増えてしまう
  • 人の汗は菌にとって栄養源
  • ろ過器の中で菌は増える

ここからは上記の原因について詳しく解説していきます。

ぬるま湯で菌が増えてしまう

レジオネラ菌が蔓延する原因のひとつに、水温があります。一般に、細菌は31.5℃以上で活動が活発になり、レジオネラ菌は39℃付近で活動のピークを迎え、60℃を超えると死滅すると言われています。日本のお風呂の平均温度は41℃近辺になり、レジオネラ菌が急激に増加。これがレジオネラ菌の増殖に拍車をかけています。レジオネラ菌の増殖や拡散を防ぐために、60℃以上の高温殺菌の浴槽を活用することをおすすめします。

人の汗は菌にとって栄養源

人間は、入浴などの際に汗をかきますが、これは一般的な生物学的な仕組みとなっています。この汗の主成分はアンモニウムであり、このアンモニウムに含まれる窒素が細菌の栄養分となります。しかし、この汗が水質を急速に悪化させ、レジオネラ菌の繁殖を招くことがあるので注意しましょう。

ろ過器の中で菌は増える

循環式浴槽のフィルターを定期的に洗浄・消毒することで、レジオネラ菌の繁殖を防ぐことができます。適切な洗浄を行わないと、細菌が繁殖し、フィルター内の水を汚染していることに気付かないことがあります。

レジオネラ菌を増やさない方法

レジオネラ菌を増やさない方法には以下の3つがあります。

  • 入浴前にかかり湯を行なう
  • 浴槽の水で体を洗った上で、少なくなったら足し湯をする
  • 入浴後にフィルターを洗う

ここからは上記の方法について詳しく解説していきます。

入浴前にかかり湯を行なう

入浴前に「かかり湯」をすることで、肌の汚れを落とし、浴槽の中も汚れないことがわかっています。このことから、浴槽に入る前には必ずかかり湯を行なうことをおすすめします。

浴槽の水で体を洗った上で、少なくなったら足し湯をする

外部にきれいな水を導入し、お湯で補うことで菌の増殖を抑制することができます。菌を増やさないためにも、こまめに水を入れ替えることをおすすめします。

入浴後にフィルターを洗う

入浴後は、必ず循環器系のフィルターを洗浄してください。また、毎日のお手入れで、常に新鮮な水が循環するようにしましょう。

24時間風呂に対する衛生管理

24時間風呂の衛生管理は以下の2つを意識してみてください。

  • 水を定期的に交換する
  • ろ過器の中やヘアキャッチャーを掃除する

ここからは上記の内容について解説していきます。

水を定期的に交換する

24時間風呂では、使用によって汚れた浴槽のお湯が長時間温められ、レジオネラ菌などの微生物が繁殖しやすい環境になっています。逆に、定期的にお湯を交換している浴槽では、これらの菌が繁殖することはほとんどありません。そのため、定期的に浴槽のお湯を入れ替える必要があるのです。

ろ過器の中やヘアキャッチャーを掃除する

レジオネラ菌は、ヘアキャッチャーやフィルター、配管内など、水が滞留している場所で増殖します。このような場所には多くの微生物が集まり、レジオネラ菌が増殖しやすい「ぬめり(バイオフィルム)」を作ることができます。

浴槽や配管、フィルターなどの部品を定期的にお手入れすることで、ぬめりの発生を抑制することができます。さらに、フィルターインフィルターの部品も定期的に交換する必要があります。衛生面を確保するために、製造元のガイドに記載されている注意事項を遵守してください。

まとめ

今回は24時間風呂の衛生事情について詳しく解説していきました。24時間風呂は古くなったお湯を暖かくすることで水を取り替えなくても再びお風呂に入ると言う非常に画期的な機能と言えるでしょう。しかし浴槽の水の温度変化や人の汗などによって、レジオネラ菌という細菌が繁殖してしまうことから、浴槽の衛生面に関して問題が生じてしまう可能性が出てきてしまうでしょう。

レジオネラ菌を増やさないためにはこまめな水の取り替えや、ろ過機などの循環機能の定期的な清掃が非常に大切です。常日頃から綺麗なお風呂に入って体を清潔な状態に保つためにもぜひ日常的にメンテナンスを取り入れてみてくださいね。

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