24時間風呂と追い炊きってどう違うの?それぞれの仕組みは?
お風呂に入るときは、温かいお湯にゆったり浸かって、心身をリラックスさせたいところですが、そんな温かいお湯をキープしてくれるのが24時間風呂やお風呂の追い炊き機能です。でも、この2つ、どう違うのでしょうか。似ているような気もしますが、どうでしょうか。
そこで今回は、24時間風呂とお風呂の追い炊き機能の違いに迫ってみます。
24時間風呂とは?
24時間風呂は、24時間いつでも好きなときに入浴ができるお風呂。保温装置がついているので、お湯が常に温かく、冷めません。そのため、朝から深夜までどの時間帯に入浴しても快適です。
そのほか、殺菌対策や清浄機能対策も施されていて、お湯は清潔でキレイ。汚れたり濁ったり細菌が繁殖したりすることはほとんどないです。
お湯は24時間循環させているので、水を出しっぱなしにするわけではなく、節水になります。ただ、稼働するのに電気が必要で、電気代はかかります。
追い炊き機能とは?
お風呂の追い炊き機能は浴槽にためたお湯が冷めそうになったときに、温め直す機能です。ぬるくなったお湯を給湯機で温めて、お風呂に入る人の好みの温度にまで上げていきます。
給湯器の種類は主に次の3つです。
- ガス給湯器
- 石油給湯器
- 電気給湯器
ガス給湯器はガスが燃料、石油給湯器は石油が燃料ですが、電気給湯器の場合、深夜電力を使ってお湯を温めます。
追い炊き機能を使えば、冷たい水を一から温めるよりも、燃料代が少なく済みます。燃料代の節約という点では、おすすめの機能です。
ただ、衛生面での問題が生じることがあります。一度入浴したお風呂のお湯をもう一度追い炊きすると、細菌の数も増えるもの。3度目以降になれば、さらに細菌が増えます。衛生面を考えると、最初から水を沸かし直したほうがいいでしょう。
24時間風呂と追い炊き機能の共通点
24時間風呂と追い炊き機能の違いを探る前に、共通点を見てみましょう。
共通点は、希望の時間帯にともに温かいお湯で入浴できること。システムは全く違いますが、冷めたお湯に浸からずに済みます。
そのため、快適な入浴が楽しめますね。
24時間風呂と追い炊き機能の違い
24時間風呂と追い炊き機能の違いを見てみましょう。
システムの違い
24時間風呂と追い炊き機能では、お湯を温めるシステムが全く違います。
24時間風呂はお湯をポンプで循環させながら、保温装置でお湯の温度を保ちます。冷めてから温め直すのではなく、最初から一定の温度をキープするのです。そのため、24時間いつでも適温のお湯の中で入浴ができるようになっています。
一方、追い炊き機能では、冷めかかったお湯を給湯機で温め直します。ずっと一定温度に保つのではなく、少し冷めてからもう一度温めるという機能。冷めるたび温め直すので、少し面倒ではあります。
殺菌・清浄機能の違い
24時間風呂と追い炊き機能のもう一つの違いは、殺菌・清浄機能。
24時間風呂には殺菌・清浄機能が備わっていて、常にお湯を清潔でキレイな状態にしておきます。殺菌・清浄機能の種類については、各メーカーの各商品ごとに違いますが、代表的なモノに次のようなものがあります。
▼24時間風呂の殺菌・清浄方法
- 65度の高温殺菌
- 紫外線殺菌灯
- 光触媒
- 錠剤による殺菌
- ろ過装置(活性炭・セラミック・麦飯石・天然鉱石・砂などのろ過材を使う)
一方、追い炊き機能のある給湯器には殺菌・清浄機能はありません。追い炊き機能は冷めたお湯を温め直すためのもので、それ以上のことはできないのです。そのため、衛生面を考えると、追い炊き機能には問題があります。
費用の違い
24時間風呂と追い炊き機能では、導入費用が違います。
24時間風呂の価格は商品ごとに大きな差がありますが、家庭用で20~50万円程度のモノが多くなっています。このうち、屋内設置タイプは30万円前後、屋外設置タイプは40万円ほどです。このほかに、設置工事代がかかることがありますが、無料でなければ、2~3万円程度かかります。また、24時間風呂には、メンテナンス代、消耗品交換代なども必要です。
追い炊き機能を取り付ける費用は方法によって変わってきます。以下に示してみましょう。
工事方法 | 費用 |
配管工事を行って追加する場合 | 30~60万円 |
給湯器の交換のみの場合 | 20~40万円 |
ユニットバスを交換する場合 | 80~100万円 |
浴槽を交換する場合 | 30~60万円 |
ここで示したのは一応の目安です。工事内容によっては、さらに費用が高くなることもあります。いずれにしろ、24時間風呂の設置と追い炊き機能の取り付けでは、費用が違い、どちらを選ぶかよく検討する必要がありそうです。
施工期間の違い
24時間風呂と追い炊き機能設置工事では、施工期間も違います。
24時間風呂では、屋内設置タイプが4時間前後、屋外設置タイプが1~2日程度設置に時間がかかります。
追い炊き機能の施工期間は以下の通りです。
工事方法 | 施工期間 |
配管工事を行って追加する場合 | 約1日 |
給湯器の交換のみの場合 | 約1日 |
ユニットバスを交換する場合 | 約5日~1週間 |
浴槽を交換する場合 | 約1日 |
24時間風呂と追い炊き風呂、どっちがおすすめ?
24時間風呂と追い炊き機能の違いを見てみましたが、結局、どちらがおすすめなのでしょうか。考えてみましょう。
衛生面を考えると、24時間風呂がおすすめ
衛生面を考えると、24時間風呂がおすすめです。24時間風呂には殺菌・清浄機能が備わっているのに対して、追い炊き風呂にはそのような機能がありません。
お風呂の衛生は非常に大事。殺菌が繁殖したお風呂では、健康被害が生じることがあります。気分的にも良くないでしょう、
それだけに、清潔でキレイなお風呂に入りたいと思ったら、24時間風呂を選択したいところです。
施工工事の大変さでは、24時間風呂がおすすめ
24時間風呂でも追い炊き風呂でも設置工事が必要になりますが、24時間風呂のほうが設置しやすいです。屋内設置タイプの場合は、工事が3~4時間で終了します。それほど大掛かりな工事にはならず、設置がスムーズに済むでしょう。
追い炊き機能の場合、工事方法にもよりますが、浴槽と給湯器をつなげる穴を開ける配管工事が必要になります。24時間風呂でも屋外設置タイプでは似たような工事をする場合もありますが、屋内設置タイプでは不要です。
それだけに、追い炊き機能の追加は結構大変ですから、24時間風呂のほうが利用しやすいですね。
費用では、微妙
24時間風呂と追い炊き機能の設置費用を比較してありますが、どちらがおすすめかは微妙なところ。これは工事方法の違いにもよるでしょう。
追い炊き機能追加の工事が大変になると、費用も高くなって、24時間風呂よりも出費が大きくなります。給湯器の交換のみなら、費用は同じくらい。
結局、他の面でも比較したうえで選ぶことになりそうです。
保温機能では、24時間風呂がおすすめ
お湯の保温という点では、24時間風呂がおすすめです、24時間風呂なら、ずっとお湯は温かいまま。温度が下がることがありません。常に適温で入浴できます。
追い炊き風呂の場合、冷めるたびに温めることになるので、常に適温というわけにはいきません。温め直すまで温度が下がりますから、24時間風呂のように使うことができません・
24時間風呂と追い炊き機能、おすすめは24時間風呂!
今回は、24時間風呂と追い炊き機能の違いを比較してみました。いくつかの要素での比較になりましたが、総合的に見ておすすめなのは24時間風呂です。衛生面、施工工事、保温機能などの点で、追い炊き風呂を上回るからです。
しかし、選ぶのは皆さんです。どちらか一方を押し売りするわけではありませんから、自分たちでもよく考えて、いいと思う方を選んでください。